その日は朝から小雨が降っていた
梅雨が近いがまだその影響はないようだ。
多分空の
気まぐれだ。
雨の日は憂鬱だ!
中には好きだと答える人はいるだろうが、大多数はこの意見だ。
何故憂鬱なんだろうか?
湿っぽい。暗い・・・・・
本当は、傘を持つ作業がめんどくさい。これが大多数の答えだろう。
普通は片手に傘、片手にカバン。
思いだしたが、学生時代は雨がやんだら学生カバンにさして歩いた。
今考えるととても迷惑なことだ。
今みたいに肩からかけるのではなく手に持つタイプだ。
当時は医者バック!
とみんなが行っていた。
あの中から聴診器やら体温計、
シルバーのヘラのような奴だの、
子供の頃は
注射だ!と言われるまでは何が出てくるのだろうと楽しみしていたあのバックだ。
それをペシャンコに潰し中身は弁当だけを入れ学校に通ったあのバックだ。
手を下げて普通に闊歩すればまだしも、当時バンカラのイメージなのか肩にしょうようにもつと通り過ぎるときに人にぶつかった。
今は逆に避けて歩いている
そのめんどくさい両手塞がりの作業をこなし駅まで着きしぶきを払い電車に乗った。
いつもと同じ距離をいつもと倍の気の重さ、まして今日はいつもとは違うバック。しかも重い。
車内はさほど混んではいなかったが座れはしなく、バックを棚にのせ窓の水滴をながめていた。
一駅でその重さから解放された
ラッキーだ。座れる
日々の
疲労も腰に負担かけ、筋肉が固まっているようだ。
気の重さと荷物の重さから
解放された
イヤホンを
携帯ジャックに差し込み目をとじる
音楽に聞き入れれば目的地はすぐに来た。
目を開けると、前には
サラリーマン風の中年と若い男が、降車の動きを察してか席確保を狙っている。
どうせなら中年に座ってもらいたい。そう思い、どうしたら彼に着席権利を渡せるか考え思案した。よし、右手で吊革を持ち若い男に向かって立てば相手は引く。その隙に中年が座れば完璧だ。
楽しくて笑みがこぼれそうだ!
車内アナウンスとともに決行だ。
待っていろ中年!
君に一時の幸せを渡してやる。
作戦通り立ち上がると中年はすぐ着席体制に入った。
よし!いいぞ!
どうだ若者。と満足に見ると、その若者も出口に向かっていた。失笑しながらも達成感から気分の重さも消え改札口に向かった。
階段を下り外にでると、先程よりも雨足が強くなっていたが、気分の良さから足取りは軽く
商店街を抜ける頃には音楽に合わせ鼻歌も混じっていた。
軽いな〜体が軽いな〜・・・・・・
無い!片手に傘、片手にバック!
そのバックが片手に無い。!?一瞬何事かと思ったが、それは確かに自分に起こった出来事だった。
駅に走った。
とにかく走った。
とっくに電車は発車しているのに走った。
階段を駆け上がり改札口の駅員に事情を話した。
すぐに対応してくれた
10分の待ち時間がやけに長い。
折り返しの駅で確認してもらったが見つからず、駅員から、あと15分で下り電車として帰ってくるので確認して見てくださいとの言葉。
切ない。
15分が長い。
来た乗客が乗車体勢に対し、腰をかがめ走りさる網棚を覗く。
無い・・・・・・
終わった・・・・・・
さよなら
パンツと
Tシャツ〜
おれの肌の〜温もりを〜忘れるな〜・・・・・・!!
前日、マクドナルドで財布を拾い届けた。
良いことをしたから
帰ってくるはずだ!
この物語は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
posted by GOHOU at 22:13| 東京

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